DLAは通常のレイアウトで使用される物理的なポリゴンベースでの編集・検証と異なり、より実際のマスクデータとの整合性を考慮し、同一のエレメント属性を持つ重なり合ったポリゴンデータを一つの形状として論理的なデータとして保持し、様々なレイアウト編集・検証を行えるようにしたモジュールです。
Derivedレイヤーを生成するプロセスでは以上のようにPhysicalレイヤーにおける重なり合っている部分やカットライン、接合部分は全て省かれます。
Derivedレイヤーでの一連の作業の流れは上図のようになります。まずデータベース上から選択したPhysicalレイヤーを抽出し初期化、生成後ブール演算や選択演算などの様々な操作を行っていきます。
基本機能 基本モジュールとして使用できるDerivedレイヤー機能は以下の通りです:
上記演算で生成されたDerivedレイヤーは全て、物理的なポリゴンデータとしてデータベースに保存することも可能です。また保存せず、メモリ領域内にGPE変数として保持し、他の演算にそのまま利用していくことも可能です。これによりディスクスペースの節約と演算速度の向上を図ることができます。 |
オプションのXDRCまたはHLVSモジュールがあると、上記の基本機能の他に以下の全ての機能を使用することができます。
関連位置による形状選択演算Coincident Includeの例
上記例ではdLayer2の内側の断片と接し、かつdLayer2のどれかが完全に含まれているdLayer1の形状が結果レイヤーdLayerとして抽出されています。
特定のプロパティによる形状選択演算45 Degree Anglesの例
上記例ではdLayer1のポリゴンの中から45度の頂点角を持つ全ての形状を結果レイヤーdLayerに抽出しています。因みにオプションパラメータを設定することにより、全ての頂点角が45度、または一つも45度の頂点角が無い形状のみを選択、などと設定することも可能です。
特定のプロパティによるエッジ選択演算Lengthの例
上記例ではdLayer1から断片の長さが4.5のエッジのみを抽出しています。因みにオプションパラメータの設定により指定した長さ以外の断片、~以上~以下の長さの断片、と言った指定も可能です。
関連位置による断片選択演算Butting or Overlapの例
上記例ではdLayer2の外側の断片と接している、またはdLayer2のどこかと一部でも重なっているdLayer1の断片部分のみが抽出されています。
・ ネット機能
- 電気的に接続しているレイヤー
- 順次接続レイヤー
- 非順次接続レイヤー
- レイヤーへネット番号を割り当てる
- ネットに名称を割り当てる
- ネットプロパティリストの作成
- プロパティリストから計算を実行する
- ネットを使用している形状(shape)を選択する(ネット同士の選択演算)
上記に掲げてきた演算の結果は、一部演算を除き全て物理的なポリゴンとして保存することが可能です。また物理的なポリゴンとして保存しない場合でも論理的なレイヤーとしてGPE変数化・保持されますので、結果にさらに別の演算をかけたり、その他各種編集・検証作業にそのまま用いていくことが可能です。
上記以外にも便利な機能・特長が豊富にあります。
こちらよりデモ版をダウンロードして、実際に体験いただけます。